Seventh Pleiad のできるまで

CloverPaintの作画工程を残していなかったので,書き起こしてみました.
絵柄や技法は2003年にPrismPocketで描いていた頃のものと,あとCloverPaintの狙いであったPhotoshop塗りも活用していて,私としては満足のゆくものとなっています.

2005/1/10
作画環境
・PDA:Zaurus SL-C3000
・Software:ClvoerPaint 0.6-6


indexへ

完成図はこちら.
2005年の年賀状として公開したものです.
12月から1月までの調子のいい日に,あわせて12時間ほどで描き上げました.

構想1:
12月ごろは鬱々としていたので,とにかく自分の好きなものを描いてみようと思って昔から好きだったすばるの絵をもう一度描くことにしました.
構想としては,すばる石という不思議な鉱石の周りにいろんな人たちが集っているような絵でしたが,この段階では5人描くつもりで猫,女の子(四葉),テディベア,うさぎのぬいぐるみ,まで描いて,最後の一人がどうしても決まりませんでした.ちなみに単に好きなものを並べただけです.

構想2:
上の状態から続きを描く気持ちになれないまま1月になりました.某信者さんの年賀絵を拝見して,私に足りないのは火の鳥だったんだ,とひらめきました.年末から年始にかけて昨年後半の疲れがたまりにたまったのか体調を崩していたので,自分への回復の祈りをこめながら,鳥を描き足しました.あと5人目にはとりあえず何か描いておこうと思って狐を.見るからに適当です.

下描き:
火から鳥が生まれるんだとしたら,それってすばるの7つ目の星だよねと思い当たったので,人の数を6人に増やして,星を7つにしました.ストーリーがないと見にくいと思ったのでなんとなくで話を考えて,ぬいぐるみは意味がよく判らなかったのでやめて狐を右上へ.左下に蛇を.右下にハムスターを描き足しました.一番下にはアクセントで子鬼を.

下塗り:
周りが暗くて中心が明るいというのは最初からの構想.というか私の絵そんなんばっかですが…….女の子の服だけディテールが描き込まれています.

キャラクター塗り:
こんな感じかなぁと色のあたりをつけながらキャラクターにも着彩.もちろん茶色い下塗りとキャラクター塗りは別のレイヤです.

光設計:
すばる石(中央の鉱石)を中心として明るくなるように,Dodgeレイヤで調整します.その上からMultiplyレイヤで青色をつけます.

キャラクター塗り2:
鳥を塗って一通り着彩完了です.初めは素直に朱色で塗って,ここから全体の色のバランスを取り始めました.

詳細化:
この時点では「星魔法使いの弟子」みたいな薄い塗りにしようと思っていました.Dodgeレイヤを使って全体的に明るくしています.あとディテールは塗りで表現する代わりに線で表現しようとしています.

塗りこみ:
薄い塗りは心に羽が生えてるような気持ちでないと上手くゆかないため早くも断念.いつもの情念を込めた塗りこみに変更しました.BurnとMultiplyレイヤでどんどんコントラストをつけてゆきます.

色彩設計大変更:
鳥が朱色のままでは全体のバランスがとれなかったため,Differenceレイヤを使って反転.このへんの絵の作り方がPhotoshop世代くさいです.

色調整:
ベースの色を揃えるために全体に黄土色をMultiplyレイヤで重ねます.

ハイライト:
その後,Dodgeレイヤで光を作ってゆきます.

仕上げ:
いらない主線を消します.あとレイアウトが悪かったため鳥に影をつけて無理矢理バランスを取りました.これは下描きの段階からもっと意識されているべきだったと思いますが,いつもその場しのぎで描き進めてゆくのでどうにも.
子鬼のところで星がくるんと回ってるのは遊び.この絵を描き始めた頃と違ってずいぶん心の余裕が出てきたようです.

しばらく絵を描いていなかったので,もう描けないかもと思っていたり,途中いろいろ迷いがあったりで思い入れ深いです.CloverPaintで描きたいと思っていたような絵がようやく描けた感じで,年始早々満足のゆく一枚となりました.


index
2005 曽我十郎