◆ スノウ・フレイク ◆
(from PLANET-A)
Original Size 312 x 480


「やぁ、おかえりなさい。長旅だったね。」


その惑星は、これまでに何度も来たことがあったけれど、
誰かが迎えに出てきてくれたのはそれが初めてだった。
そのころのあたしは、真っ黒で、ちっとも光やしない自分の髪が大嫌いで、
どこかへ行く時にはいつも白い光のベールをかぶって、
影からのぞくように外を見ていた。

この宇宙に住む同族たちのなかには、私みたいな黒い髪はいなかった。
大抵は、赤や青の光を放っていて、時にはかすかに震えるように色を変えて、
それが惑星に住む生命たちの目を楽しませるさまを競いあっていた。
自分で光を放たないあたしに好き好んで話しかける人なんかない、
そう思っていたから、
だから、彼もあたしのことをからかうために近づいてきたのだと思った。


ほんの少し昔のこと、黒い星の少女は"PLANET-A"と出会いました。
絵本"PLANET-Aに会いにゆく"に関するイラストの一枚目です。
お話自体がまだ出来ておらず、イラストが先になってしまいましたので、
イントロだけ少し掲載してみました。
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今年予定されているPLANET-Bに夢を託しつつ。

技術的には、Polarisで試した
髪の表現の実験でした。
フリーハンドが下手なもんで、パスを使って描いています。



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寿琅啓吾 <soga@summer.nifty.jp>