ドルフィン・ドリーム

ドリーは海の天使です。
音符のカケラを身にまとい、
いつもクルクル踊りながら、
水平線を渡ります。

「ドリー」というのは、
「ドルフィン」のもじりで、
ドリーはイルカが大好きでした。

ドリーと一番仲良しの
イルカが旅に出る日が来ました。
遠い海の果てに消えゆく、
星を探しに行くのです。

ドリーは旅の無事を祈って、
天使のダンスを贈りました。
イルカはお礼に水色の夢を
まるい形に歌いあげ、
ドリーのために贈りました。

ドリーは毎晩、夢を見ます。
それは大事なイルカの夢。
もうここにはいないイルカの夢。
イルカが自分の夢を目指して、
水平線を超える夢。
希望の星を探す夢。
イルカの贈ったまあるい夢は
離れた二人を一つにつないで、
ドリーもまた自分の夢を目指しました。

ドルフィン、ドリー、ドリーム。
ドリームという言葉が夢をあらわすようになったのは、
この時からであったといいます。


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寿琅 啓吾