アークス,ってまたそんなおっさんホイホイを.
当時はアニメーターをPCゲームの広告アートに使っていたものが目を惹いた.アークスII(1990)は垣野内成美.ちょうど吸血姫美夕が1988,1989なので人気絶頂だったころ.広告はたしかセル塗りの絵だったと思うのだけどもはや記憶が曖昧.
コンシューマーだけど,アークスオデッセイ(1991)はいのまたむつみ.
その他,荒木伸吾・姫野美智「BURAI」(1989),高田明美「ドラゴンスレイヤー英雄伝説Ⅱ」(1989),菊池道隆「サークII」(1989),結城信輝「サークIII(1993)」,天野喜孝は呉のごちゃキャラシリーズ(1988-)
その他,イラストレーターなら,米田仁士「ソーサリアン」(1987),末弥純「ブランディッシュ」(1990),中村博文「メルクリウスプリティ」(1994)
漫画家,鶴田謙二「白き魔女」(1994).パッケ絵でも広告絵でもないけど,ルーンワースの漫画版(1989 *1)が迎夏生.これはフォーチュン・クエストよりも前.このへんはコンプティーク⇒フォーチュン,の流れであるから.
社内イラストレーターでは,都築和彦「ロマンシア」(1986),木村明広「エメラルドドラゴン」(1989)
広告に限らず作中原画も含めてってのが多いと思うけど,僕は実際にゲームやったわけじゃなくて(中高生が88とか98とかX68kとか持ってるわけないじゃない),広告を眺めてニヤニヤしてただけなので知らない.
*1 こちらのページがすごい.
http://ukatsu.mo-blog.jp/comptho/1989/08/19898_1ff2.html
ルーンワース連載開始がフォーチュンより前,っていう自信がなかったので,助かりました.
早くも原稿の補足? MOON.のダンジョンとか,リトバスのバトルランキングとか.
目指す高みが質的で((c)いまきち),この手が届かない,この体ではたどり着けない場所であるのと平行して,RPGのように能力を量的に上げてゆく行為が置かれる.両者に亀裂を見るならば,たぶん後者は高みっていうより地の底を覗くような深みなんだろ.お花畑があるのは地下20階であるが,これはダンジョンのレベル20と呼ぶこともできる,というのはあまりにレトリカルであるにせよ.
能力値というのは全て負の値だと考えると,しっくりくるところがある.経験ためると能力値の底が深くなるの.
地下へ,地下へと進んでゆく.それは空と出会わない.高みにたどり着かない.
奈落へ.
HDDを整理してたら懐かしい絵が発掘されたので貼っときます.友達の誕生日に贈ったのだわ.メッセージが入ってたのは消してます.
ファルコムのモナークモナークとわっふるのセットなんで,1999年の絵ですかね.
絵のモチーフは彼のWebPageから来てるので,他の人が見てもたぶんよく判んない感じですが.
ウインダリア(映画版)
マーリンがイズーに渡した短剣は,守り刀と思わせておいて武器本来の方法では使われない.刺客となったシャレムに対してはとっさの牽制で小物をばら撒くのに使われるだけ.僕はここで抜くと思っていたのでまずは肩透かしを喰らった.剣が抜かれるのはその後,パロの国から逃げ出すときに小船の綱を切る場面になってからである.
ここで綱を短剣で切る様子それだけが置かれていると,パロとの悪縁を故郷の妻の短剣で断ち切る,などと読めるので自分の下品さに嫌気の差すところだけど,直前に肩透かしが置かれてるので,その隙にすっと受け入れられる.象徴くさい表現を単独で放置しない段取りが上手いのではないかと思った.
下品ついでにもう一つ.恋人たちの男の側の血は女の側の武器によって流される.ジルはアーナスの銃で撃たれ,イズーはマーリンの短剣で指を切る.男だ女だと考え出すとまた嫌気が差してくるのでここは,イズーの体をどうにかしていいのはマーリンだけである,としておきたい.
イズーがパロの国へ旅立ってしまって悲痛な面持ちのマーリンは,いったん2階へ上がってからこみ上げてきて泣く.この1階から2階へ上がるあいだの忘我の時間が沁みた.
「浅茅が宿」を数段落読んだところで,これってウインダリアだよなぁ,と思って検索したら,そういう話がそこそこ出てきたので久しぶりに観た.上田秋成の雨月物語の翻案とも言えるし,実写映画のほうも確認したら,そちらから出てきた発想も交じっているように見えた.荷車を押す様子とか,男が旅立つときすでに世相はきな臭いとか,仕官とか,男が滞在先で浮気してるとかね.実写では最後の長回しがあっと驚く美しさで,はじめは誰もいない暗い廃屋だったものが,ぐるっと回ってもう一度カメラが同じ場所へ戻って来たときには灯りがついて,元のままの家に妻が佇んでいる.ここをアニメではどう撮ったのかが気になっていた.結果,絵としては普通であるが,イズーの仕草が良い.
僕は関西生まれの関西育ちなので,子供の頃「アニメだいすき!」という番組で何度もウインダリアを観た.当時,イズーはひどい男だということで僕と姉の意見は一致するところだったが,秋成の勝四郎や溝口の源十郎と比べれば,浅茅が宿に帰ってきたときのイズーの負い目を感じた様子は好感が持てる.妻との再会において勝四郎と源十郎は十年一日の勝手さを見せる一方,イズーはマーリンの顔を直視できないでいる.というのは,イズーは妻と再会するよりも前に大いに後悔してるからで, 惑いの森の幻に対して動じなかった彼が,水没したイサの街を目の当たりにした後では死者の霊である赤い鳥の群れに怯えている.マーリンと引き合わせるにあたってすでに反省した状態の彼にしているところは,マーリンに対して優しい.
リトバス
野球漫画だったんだこれ…….確かにサッカーはできないが野球のできる人数であった.CLANNADにせよ,麻枝准は草野球が好きね.運痴なのでやるほうにいい思い出はないけど,見るのは嫌いじゃない.
「ノックを猫に当てると……」いや,それ当てちゃ駄目だから.
クド可愛い.やはりはじめは宇宙まで行く予定だったらしい.
恭介の声は往人さん(緑川光)だ,と思いながら聞くとたぶん彼に関する嫌らしい部分は和らぐんじゃないかと.
かみちゃまかりん #1
絵も時空間も自由自在に,ファンタスティック.
全カットなにか語りたくなる勢いだけど,もったいないからやらないよという気分だわ.
とりあえずはアイキャッチを挟んだミニバンとスクーター,とだけ.可笑しいよねぇ,これ.
適当に録画したら安濃高志アニメに当たった.今月の幸運はここで使う予定だったのか.
個人的に印象的だったワンポイントを言い出すときりがないので,欄外に.
吾妻ひでお(漫画家)
・・・・・・絶句(1983)
文庫版はハヤカワの棚では目立ってた.「花輪竜一郎さんの優雅な生活」は1991.
竹宮恵子(漫画家)
・星へ行く船(1981-)表紙
(他にもいろいろあるようだけど,見たことないので.)
渡辺多恵子(漫画家)
・「なぎさボーイ」「多恵子ガール」「北里マドンナ」(1985-)
めるへんめーかー(漫画家)
・「丘の家のミッキー」(1984-)
あと,ファンタジー挿絵の常連だったよね,ってことで.
後に漫画も描くことになる杜真琴のハイスクール・オーラバスターが1989スタート.東城和美の炎の蜃気楼は1990スタート.コバルト+漫画家については,有里さんのところに解説あり.
読んだの⇒ガルディーン,ロードス島戦記,ダーコーヴァ(1),宇宙皇子(1-8),幻夢戦記レダ,風の大陸(1巻と連載途中まで),エルヴァーズ(連載途中から最後まで),D-薔薇姫まで,エルリック(ハヤカワの古いほうぜんぶ),アルスラーン第一部,創竜伝(忘れた),エルガイム,ラプラス,フェブラリー,聖エルザ,聖刻1092(聖都編).・・・・・絶句,星へ行く船.なぎさ,多恵子,北里,竹岡版丘ミキ(1).1割も読んでませんね,という.出版当時に読んだものとなると,さらにその半分か.あと魔聖界ロードあたりは挿絵のためだけに持っていたけど,とかそんな感じ.
大事な人を忘れてた.というわけで老師を追加.
チクリンかアゼルかジュレ・ミィか,というような時代であった,のだと思う.僕にとってリアルタイムはジュレ・ミィだけなので,やはり彼女が一番という気がする.
あと北爪宏幸,カドカワFの話を追加.
(ふろく2)
イラストレーター出身でない人たちによる1980年代挿絵仕事.発表年は雑誌連載ではなく文庫や新書として発売された年.年の後に - がついてるのは,後年続くもの,あるいは続くと妄想されるもの.
出淵裕(メカデザ)
・ソルジャークィーン(1985-)
・未来放浪ガルディーン(1986-)
・オーラバトラー戦記(1986-1988)以降は加藤洋之&後藤啓介
・ロードス島戦記(1988-)
加藤洋之&後藤啓介(漫画家/わりとイラストレーター)
・ダーコーヴァ年代記(1986-)
・魔聖界ロード(1986)
・クレージー・リー(1987-)
・オーラバトラー戦記(1988-)
・夢探偵・矢尾一気(1988-)
・ゆらぎの森のシエラ(1989)
いのまたむつみ(キャラクターデザイナー/アニメーター)
・宇宙皇子(1984-)
・幻夢戦記レダ(1985-)
・ウィンダリア(1986)
・風の大陸(1988-)
・レダ(1988-)栗本薫のほう
・姫巫女(1989-)
・小説ドラゴンクエスト(1989-)
美樹本晴彦(キャラクターデザイナー)
・ハイスピード・ジェシー(1984-)
・機動戦士ガンダム(スニーカー文庫,1987-)
(・キャロル・ザ・ウェポン(1988-)雑誌掲載)
・シリウス・コネクション(1988-)
・バセット英雄伝 エルヴァーズ(1989-)
天野喜孝(キャラクターデザイナー/当時もはやイラストレーター)
(・ホーカ(1972-))
(・グイン(1979-))
・キマイラ(1982-)
・コルム(1982-)
・吸血鬼ハンター"D"(1983-)
・敵は海賊(1983-)
・エレコーゼ(1983-)
・エルリック(1984-)
・アルスラーン(1986-)
(・ファイナルファンタジー(1987-)ゲーム)
・創竜伝(1987-)
・マヴァール年代記(1988-)
・ブラス城年代記(1988-)
・天狼星(1989-)
北爪宏幸(キャラクターデザイナー,アニメーター)
・重戦機エルガイム(1985)
・デジタル・デビル・ストーリー(1986-)
・ガイア・ギア(1988-)
・灼熱の竜騎兵(1988-)連載当初はカトキハジメ挿絵
結城信輝(キャラクターデザイナー)
・ラプラスの魔(1988-)
・時の果てのフェブラリー(1989-)
真鍋譲治(漫画家)
・魔群惑星(1987-)
・聖刻の書(1988-)
魔聖界ロードなどソノラマのほうもあわせて,渡邊由自はともかくたくさん書いていた.
あろひろし(漫画家)
・ルナ・ヴァルガー(1988-)
こちらも巻数が目立った.ハイパータイマー・ネーナの文庫化は1990.
伊東岳彦/BLACK POINT/幡池裕行(漫画家/イラストレーター)
・聖エルザクルセイダーズ(1988-)
・聖刻1092(1988-)
・ダイザッパー(1988)
安彦良和(アニメーター/漫画家)
(・クラッシャージョウ(1977-))
・ダーティペア(1980-)
・黄金拍車(1988-)
本屋で場違い的に目立っていたのがカドカワFシリーズ.大人向けの棚にあるのに表紙が漫画だ,という風に当時の僕は気にしていた.るりあ先生のダンジョン・ワールドが1989から,砂倉そーいちのアーク島年代記は1990から.
ちなみにこれらは本としてはほとんど読んでいない.当時,書店の本棚にて絵だけを楽しんだ.調べたらもっと出てきたけど,本屋で見た気がしないものはパスということで.
イラストレーターの話になるが,引っかかったので一つ.1990年になるといのまたむつみの90年代的変奏ともいうべき小林智美が出てくる.同人出身,津守時生(多戸雅之)や江森備とのタッグ,千葉暁「アルス・マグナ」,ロマサガで男女問わぬ人気.
文脈はこのへん.いつの間にかよく似た話が補足されちゃってるけど最初はなかったので,まぁ,昔話になりました.
http://d.hatena.ne.jp/K_NATSUBA/20070617
あとあらいずみるいの絵柄の話はもうどこだったか判んないけど昔の議論の続き,あるいは繰り返し.どこにあるんでしたっけね?
本誌挿絵陣にあらいずみるいが生き残ったからこそ,後に妖怪寺で田沼雄一郎を採ることが可能になったと言えるように思いました.
1989年の昔話(と書いて偽史と読む)
最近まで気付かなかったのでここにぼそっと書いておく.あらいずみるいのドラゴンマガジン挿絵登場は創刊号(1988)から(飯野文彦「リズミックエスパー」).
創刊以降のコスプレアイドル表紙時代(1988)は.いのまたむつみ,美樹本晴彦などアニメかつ挿絵な人たち,天野喜孝,末弥純などRPGかつ挿絵な人たちと並んで,山本貴嗣,阿乱霊,あろひろし,真鍋譲治,あいかわももこのような漫画の人たちが挿絵担当として同居している.(ここから漏れるのは漫画家かつ挿絵仕事の加藤洋之&後藤啓介.挿絵担当以外では,アニメかつ挿絵仕事の出淵裕,アニメの結城信輝,ドラマガがデビューの見田竜介)
僕がドラマガを買い始めたのはゆうゆからなので,1989年1月号,アイドル表紙最後の号である.1989年は表紙がイラストへ変更されるなどそれまで模索していた方針をいったん取りまとめた時期で,漫画畑からの挿絵もぽろぽろと入れ替わった.阿乱霊はこの時点ですでにいなかった.伊藤和典の武蔵野妖精迎撃隊が1月号で終わって山本貴嗣がいなくなり,大原まり子の星間貿易商タオが連載中断で真鍋譲治がいなくなり,あいかわももこ&赤川次郎の「アンバランスな放課後」も連載終了した(案の定,富士見ファンタジアからは出版されなかった).以降に登場するのは1989年の藤島康介(ユミナ戦記),1990年の鶴田謙二(道士リジィオ)であり,それまでの少年誌あるいはマニアックな場所で実績を積んできた漫画家から,デビューして3,4年の新進青年誌漫画家へと方向が振れる.岬兄悟の「ハイパータイマー・ネーナ」もあろひろしから遊人へ変わるのだけど,いつだったか今確認できない.遊人は新進と呼ぶには古すぎるけど,ANGELが1989だったってことで.
「白魔術都市の王子」(1989)よりあらいずみるいが誌面に大きく載り始めたのはそんな頃のことである.創刊当初より続く鉄板のいのまた,天野,末弥,美樹本による挿絵に比べて,あらいずみるいの力強い線は前者の華麗な絵柄に親しんでいた向きにはインパクトがあったし,漫画家としても1988年のラインナップに交ざっているほうが自然であったので,なんか凄い絵が来た,という感じであった.リナ=インバースのサービスカットがあったせいもあるだろうけど.
脱線だけど,ディスティニーに関して言えば,絵が男子であるというよりはいのまたむつみが描いてることに意味のある話になりそう.富士見ファンタジア創刊の看板であるところの表紙ティーエはもちろん男であるし,宇宙皇子の表紙は主に皇子であるという程度には,読者が男子だとしてもまずはいのまたむつみの絵柄を求めるという向きには困らないんだと思う.皇子もティーエも好きだった.
風の大陸は連載当初,男子三名のパーティー(ティーエ,ラクシ,ボイス)だと称していたので,途中でラクシが女の子だと判ったためにがっかりする読者女子がいたとか.男女問わず人気のある絵柄だったとはいえそういうのはあるし,僕だって宇宙皇子地上編8巻表紙はそりゃ好きだけど,そればっかというわけでもなくて.
冴木忍「銀の魔女」も表紙が男ふたり.メルヴィ&カシムのことを思うと,ほんとはシザリオンも男の子にしたかったんじゃないかと妄想されるところです.あ,いや,僕としてはシザリオンは女の子で良かったですが,などと,確かに勝手を言われがちな部分なんだけど.
谷山由紀「コンビネーション」は10年近く探していて,だけどさっき思いつきでAmazonのマーケットプレイスを探したら山のようにあった.今さらながら凄い時代であるな.当然のようにボタン押下.
(ふろく)
シガ・アニュアル'95
ファンタジーRPGイラストレーション展
滋賀県立近代美術館,1995/1/5/-2/19
http://cgi.shiga-kinbi.jp/exhibition_database/memory_94-6.html
関西でドラマガやらウォーロックやらRPGマガジン読んでたような連中はたぶん当然のように見に行っていたはずだけど,東京とかその他地方の人にとっては記憶に残らないことだったかもしれないね.
僕は姉とふたりで行ってきた.
図録の掲載論文「異世界を描く画家たち」(平田健生)はこちら.当時のイラストおたく語りの最果てというか,もはや好き放題に書いてて面白いというか.語る,語る.
挿絵という観点ではいのまたむつみのようなアニメの文脈が抜けてるわけだけど,そこんところはそつなく4年後にフォローされている.
シガ・アニュアル'99
現代空想絵師展
http://cgi.shiga-kinbi.jp/exhibition_database/memory_98-6.html
図録掲載論文「ジュヴナイル・イラストレーションとは何か?」(平田健生)
またそろそろ企画されるんじゃないかなぁ.
当サイトは6月14日をもって11周年を迎えました.
このところ年を経るごとに絵柄が開設当時のものに戻ってきているのが可笑しいです.なにか新しいものを取り入れて,戻して,の繰り返しなのかもしれないね.
さて,リプリムは髪をといたほうが可愛いという思想です.
長谷川裕一みたいにキャラクターが同じであることを絵が同じであることよりは前後の文脈のほうに負わせる人の絵を真似ようとすると,どのコマの顔を真似ればいいか判んない,とか思った.
そういや僕らだって人を確認するのに顔の隅々まで見ないわけで,だから顔をよくよく見てみるとなんだか知らない人に見えて怖くなってくる.あるいは自分と一緒に行動している人がずっと同じ人であって変わってないことは,わざわざ姿かたちを確認するよりは,さっきいたから今もいるよねというくらいで諒解している.
あるコマにいるひとが一つ前のコマにもいたひとであることはそこそこ確からしくて,まぁそれでええやん,という話.