+ + + + + |
「修学旅行」1999年1月31日 ターニャ・リピンスキー from |
|
◆
Waffle's Note修学旅行といえば、やはり夜の思い出です。 行先は北海道で、東から西までバスで横断という景気のいいものでしたが、この手の決められた旅行で印象に残ることといえば、どうしても友達と一緒に過ごした夜の思い出になります。 先生達に見つからぬよう声をひそめて続けた怪談。私はあまり持ち合わせがなくて一つしか話せませんでしたが、一人、また一人と眠ってしまう中で、私と二人だけになっても、ずっと話し続けてくれた友達がいました。 暇な時間の足しになるかと、カード型のFMラジオを買いました。当時の私にしては高い買い物で、どきどきしながら持っていったのですが、バスの中で上手く受信できるはずもなく、もっぱらウォークマンを友達と片耳ずつで聞いていました。札幌の旅館では少し受信できて、確か伊集院光がしゃべっていたような気がしますが、その時はあまり聞きたい気分でなく、友達のウォークマンと交換してしまいました。 旅行先で眠れない性質の私は、どこに行っても昼より夜のことをよく覚えているような気がします。網走の夜もやはり眠れなくて、一人小さくランプをつけて、カードラジオを入れてきたカセットケースのイラストを模写していました。今思うと変な奴だったかも知れません・・・、いえ、今もそういうところは相変わらずですが。 そうした修学旅行の夜を思い出しながらの、ターニャのイラストです。彼女は小樽運河工芸館で働く16歳のガラス職人。夕焼けの赤の色でスズランの花を作るのが夢だそうです。
私が16の頃には夢なんていう青臭い言葉は知りませんでした。くだんの同窓会に、小六の時の文集を持ってきた人がいて、当然、その頃の「将来の夢」なるものをみな暴露されることになったのですが、当時、無理矢理ひねり出した私の夢は、奇しくも今の自分の行く道と同じで。
20歳になるまでに自分の夢を知った人は、幸せだと思います。 |
「同窓会」1999年1月21日 柏木 楓 from |
|
◆
Waffle's Note思えば彼女は楓ちゃんに似ていました。 卒業からもう十何年かが過ぎようとしていましたが、先日はじめて小学校時代の同窓会案内が届いたのです。当時の付き合いはほとんど残っていなかったので、初めは参加しようとは思わなかったのですが、その時、ふと彼女のことを思いだしたのでした。 「痕」の楓ちゃんのようなおかっぱ頭だった彼女は、やっぱり名前も一文字で、それはとても綺麗な名前でした。多分、日本中どこを探しても同じ名前の人はいないでしょう。仮にも18禁マークのつくゲームの登場人物に似てるというのですから、名前だけといえど伏せますが (^^; (痕はHシーンが主のゲームじゃないですけど、やっぱり、ねぇ、、、)ともかく、儚くも美しい名前で、正確の方はそれに反して、内弁慶的とはいえ、ちょっとおキャンでした。 女の子の友達の中ではよくしゃべっていた方でしたが、中学で互いに別の学校になってからというもの、話す機会もなく十数年。それでも覚えていたのは、電車の中で何回か彼女らしい女の子を見かけたことがあったからでした。でも、中学時代、とってもシャイだった私は、なんだか気まずくて、声をかけることすら出来なかったのでした (^^;; ええと、どんどん青臭い話になってきましたね(笑)それで思い出は思い出のままに、というのも良かったのですが、ちょっと怖いもの見たさ?もあって、十数年ぶりに彼女と話すもよかろう、と、結局同窓会に参加したわけです。
それで、その結果ですが・・・ でも、彼女の消息は他の女の子から聞くことが出来ました。実は、去年まで私のいた街の大学に通っていたらしいのです。広くて狭い日本・・・えてしてそんなものですね。 同窓会で会った女の子たちは昔とあまり変わっていませんでしたが、彼女はもう変わってしまっていて、街で見かけても、きっと彼女だとは分からないような気がします。 この先、もう同窓会にゆくことはないでしょう。 そんな思い出をちょっぴり重ねながらの楓ちゃんのイラストです。 大寒も過ぎたばかりで、とても冷えますね。とはいえ、小学生時代は年に一度は大雪が降って、そりで遊べたりもしたものですが、最近は暖冬続きで、あまり雪も降りません。雪合戦も懐かしく思う今日この頃です。 |
「思い出」1999年1月11日 里村 茜 from |
|
◆
Waffle's Note正月明けに大学へ向かった私を驚かせたのは、一台のショベルカーでした。 そのショベルの突き刺さる凍った空き地は私のお気に入りで、私が春、この街の大学へ通うようになってから、毎日のように通り抜けていた場所で。 その小さな空き地は新興住宅街に残された最後の空き地で、向こうに大学の方を向いた道が続いていることから一見、近道に見えます。けれども、口の狭い袋のような形をしたその街は道をΩの字に曲げていて、結局はちょっと遠回りになってしまうのでした。騙されたのは入学したての頃でしたが、その後もなぜだか好んでこの空き地を抜ける道を通っていました。雨の日にも靴がドロドロになるにも関わらず、通っていた場所でした。 雨の空き地は彼女のことを思い出させます。 彼女がいつも待っていたあのあの空き地よりはきっととても小さいでしょうが、それでも、私はこの場所へ来る度に、彼女のせつない物語を思い出していたのでした。 この街にやってきてからもう幾つかの思い出が出来ましたが、その一つがこんなに早くなくなってしまうなんて、思いもよりませんでした。 おととい、工事の柵を乗り越えて入って、お別れをしてきました。
せめて、絵の方は明るいままで。 |
+ + + + + |