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「いつのまにか過ぎ去った桜の季節へ」1999年3月10日 桜井麻由 from |
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Waffle's Note「難波津に咲くや木の花冬ごもり 今は春べと咲くや木の花」
バイトで遅くなった僕を、
三月七日は君が本当に生まれた日だったのに、
料理が得意な麻由お手製のケーキを、
・・・けれども、それは、 Where have all the Flowers gone?- "Mami" in the season of the cherry blossoms -1.三月十日。街を吹き抜ける風はまだ寒い。 麻由を再び失い、トモコと別れたあの事件から、もうすぐ二年が過ぎようとしていた。春を間近にした季節は麻由のことを思いださせるけれど、僕のこの二十数度目のバースデイに、彼女はいない。 「桜の花が咲くとき、私のことを少しでも思い出して下さい。あなたと一緒に思い出作りをした『麻由』のことを。」 僕が高校時代に片思いをしていた少女、麻由は、卒業を目前に交通事故で命を落としてしまった。それから一年、僕の前に再び姿を現した『麻由』は悲恋桜の精として生まれ変わっていたのだった。けれども僕は、その『麻由』さえも自分の手の中にとどめることができなかった。 「あなたのことが好きです。けれども、悲恋桜の呪縛は解けてしまったから、もう二度とあなたに会うことは出来ないと思います。・・・だからどうか、麻美のことをよろしくお願い、」 冷たい風が吹いて、悲恋桜が激しく花を散らすとともに、麻由の姿はかき消えてしまった。全ての言葉を言い終えることなく、ただ宙を舞う花びらだけが残された、その二度目の別れ。 彼女の妹の麻美が僕に好意を寄せていること、そしてそれで彼女が身を引こうとしていたことは、だいたいの雰囲気で察することができたけれど、麻由を好きな僕が、死んだ彼女の代わりにその妹と付き合うのはなんだか都合の良すぎる話だと思った。それから一年が過ぎ、麻美が同じ大学に入学してきて、いつも僕の側にいようとする彼女と、それを避けようとする僕との、奇妙な鬼ごっこが始まってからさらにもう一年。今日も本当は麻美がうちに来る予定だったけれど、僕は朝から家を出て、街を逃げるようにさまよっていた。 気がつくと、僕は堤防の桜並木の下を歩いていた。もちろん花はまだ咲いていない。麻由が本当にいなくなったということを、確認させられるのは嫌だったから、あれから悲恋桜に近づくことはためらわれた。それでも、彼女の気配を感じていたくて、この小道まで来てしまった僕は、どうしようもない優柔不断だ。 ふと視線を感じて桜から目を離すと、向こうの板塀の家の前に立つ少年が僕をじっと見つめていた。中学一二年生だろうか。制服は来ていないけれど今時めずらしい半ズボンで、焦げ茶色のジャンパーから伸びる脚は成長期の少年らしいしなやかさだ。 「知ってる?桜の樹の下には死体が埋まってるんだよ」 少年は突然、そう尋ねてきた。なぜだか、挑戦的な目をしているように思えたので、僕はついムキになって答えてしまう。国文科なので、それは反射的でもあった。昭和初頭の短篇『桜の樹の下には』の一節だ。その作者は、 「梶井基次郎だろう、」 「違うよ、桜の樹の下には『彼女』が埋まってるんでしょう、」
そのとき僕は、正直、気がつくのが遅すぎたのだ。 「君は一体、」 「僕は咲哉だよ。それじゃ、また会いましょう、お兄さん」 最後の一言は、まるで麻由が言う風で、そう言い残して彼は走り去ってしまった。 少年のいた跡には強い川風が巻いて、古びた板塀を鳴らしていた。 けれども、その時の僕の体は、風よりも枯れた木板の音よりも、きっと寒く震えていただろう。 ◆ 「いつのまにか過ぎ去った桜の季節へ」季節を抱きしめて -麻美-This is only beginning... Please wait a few weeks. コメント麻美が前半登場しないのに麻美編はなかろうという話もあるのですが、桜の精編のエンディング(ちょっと混ぜたり変えたりしてますが)の続きになっているので、まぁ、そのへんはお見逃しを。大筋しか決まっていない Hello again...と違って、割と細かいところまで一通り書けているので、二週間以内で全編をまとめてアップできると思います。 さて、そもそもバレンタインにBABさんのもらった手描きのチョコがとってもうらやましかったので、わたしも手描きのバースデイケーキをもらうことにしたのでした。はじめは茜ちゃんを描くつもりだったのに、数時間、ボツを続けたあげく、麻由に変えてみたら一発で描けてしまったのは、やっぱり春が近いせいでしょうか? 麻美の話で麻由のイラストとはこれ如何に、ととられるかも知れませんが、彼女らは表裏一体で、麻由の話を納得のいくよう終わらせようとすると、どうしても麻美がヒロインの話を書かねばならないようになると思います。そういうわけで、お話は麻美なんでイラストは麻由? ともあれ、私も今日で二十ウン歳になったわけですが、今日のために前から、「新京都駅の破壊を祝ってワインで乾杯してくれるナイスなにーちゃん、及びねーちゃん」を募集していたのでした。そう、ガメラ3です。 京都を心の故郷と思う者として、私は新京都駅をとっても嫌っていました。なにせ巨大で、建築中のそれは、北から見れば鴨川の流れを止める大堤防(川端あたりから見たイメージですよ)、南からは操車場に浮かぶ箱船とも見えたもので、あまり良いイメージを受けるものではありませんでした。それが、出来たばかりの駅に行ってみればびっくり。羅城門にならったその形は、魔界都市京都の入口に相応しい風格を備えた怪しさ満載の建物だったので、一転、大評価することとなったのでした。
昔のままの印象だったら、前田愛ちゃんでなくても 「ガメラ3を見に行って前田愛を愛でよう・京都の会」という噂もあったのですが、結局ファンは私だけ?さみしい・・・と思いながらも、ガメラの孤高の戦士ぶりに熱い涙を流しながら、心は前田愛に萌え続けるという、なんとも贅沢な時間を過ごしたのでした。男なら見るべしです。 帰りに京都駅ビルのガメラ展に寄って、ミニチュアの京都駅に驚嘆。あとは、前田愛ちゃんと同じ場所に立つんや〜、とばかりに大階段の下をうろちょろしていましたが、他のイベントをやっていたので、あまり満足にできないで残念。 余談ですが、南明日香村(^^; の少女たちによる奈良弁を用いた前田愛ちゃんイビリが真に迫り過ぎていて、映画館を転げ回りそうになった奈良人の私でした。 上記SSの英語タイトル"Where have all the Flowers gone"は「ムーンライトダンス」(渡辺美里)の歌詞より。 |
「キミノオモイデニ サヨナラ」1999年3月04日 ホシノ・ルリ from |
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Waffle's Note
「それは、まるで葬列のようだった。 卒業の季節です。やり残したことや思い残しはないでしょうか。 それが戦いに満ちた時間であったなら、戦いぬくことが出来たでしょうか。戦いは必ず傷跡を残すものですが、もしも戦いぬいたならば、生まれるものは大きく、途中でやめたならば、ただ傷を残すだけでしょう。でも、何も生み出さず、傷跡だけが残っても、守りたいもののために投げ出さなくてはならない戦いがあります。 何も生み出さないけれど、守ることは出来る、それは君の嫌った「大人の理屈」。 一つの戦を戦いぬいて、君は卒業したけれど、いつか戦いぬけなくなる理由、守りたい何かに気付いたとき、君はまた大人になるのでしょう。 「傷ついた、これまでの自分が死を迎えるこの時に、泣くことが出来なかったのは、薄情だったわけではなくて、ただ時間がかかりすぎたから」 君の戦いに励まされながら、卒業の季節はまた通り過ぎようとしています。何とも言えない気持ちで、ただ屋上でそれを見送る君の、 君の思い出に、サヨナラ。 Waffle's Diary週末に「北へ。」と「ToHeart」と「輝く季節へ」を一緒に予約してきました。ソフマップで予約したらついてきたミニカレンダーは茜ちゃんのではなかったので、これはちょっと残念。 先週は天災のように起こったある事件でかなりトホホな状態だったのですが、そんな私を救ってくれたのはヤマギワ電気さん! BOA(lainの主題歌を歌っているアーティストですね)の「The race of a thousand camels」を買ったあと、レジの「2000円以上お買いあげの方には、下記のポスターのうちお好きなものを差し上げます」という表示が目に入ったのでした。そして、レジ下に並ぶポスターの列の中には! 支払いを済ませた後だったので、もう一度レジのトコロへ。 「あの、さっき2000円以上買ったんですけど・・・」 「はい、結構ですよ。」
さっきとは違う人にも関わらず、愛想良く答えてくれるおじさん。とてもカッコいいです。
DIVEの販促ポスター欲しいと思っていたんですよ〜、というわけで、とてもハッピーな私でした。その後、手荷物をまとめるのに困っていた私に、「バッグお使いになりますか」との嬉しい追い打ち。ポスターを差した紙バッグを片手に、ホクホク顔で帰途についたのでした。 上の話はちょうど「機動戦艦ナデシコ ルリAからBへの物語」を読んだので。TVシリーズと劇場版の間くらいのルリちゃんです。タイトルも劇場版のアオリより。 その他の週末の収穫。ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」、Works Doll ミニミニガイドブック、RYU FINAL、シナリオエクスペリメンツ レイン、夏目家の妙な人々、ティアズマガジンかんさい、だんじょん商店会 自家製設定資料集、VOLKSの樹脂製ドール素体(?)、、、週末ならぬ終末の過ごし方も来月には出ようというのに、散財しすぎでは? |
「砂漠の鳥とオリーブの枝」1999年2月11日 "Reffi" (inside Gauntret) from |
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Waffle's Note
彼女はいつも控えめで、 コンソール画面に戻ると、彼女はくるくる回っています。私はいつも、それにぼーっと見とれてしまうのでした。え、彼女って誰かですって? もちろん、"Reffi"のことです。 今回、いつもにも増して分かりづらい話ですが、覚悟を決めていただいて、最後までついてきていただけると嬉しいです m(_ _)m 以下、TecnoSoftのシューティングゲーム「ThunderForceV」(以下TFV)のエンディングに関するネタバレが含まれておりますので、一応ご注意下さい。 TFVを買った正確な理由は、なぜだか忘れてしまいましたが、多分、「男だったらこれをやらねばならぬ」、という先輩の薦めだったような気がします。RayerSection、もといRayForce 目当てにサターンを買った私ですから、下手の横好きとはいえシューティングが好きで、それで始めたTFVでしたが、もうどしどしツボにはまりまくりなのでした。 Brigandineとドッキングして宇宙へ飛び出すところは、たまたま友人の家でプレイしていたところではじめて見たのですが、あまり興味のない友人をよそに、一人でガオーッと燃えていた記憶があったり。(はた迷惑なこと・・・。) そして、人類最大の敵であったGuardianとの最終決戦の後に残された、Guardianの最後の言葉は誰も涙無しには聞くことが出来ないでしょう。 けれども、なにより萌えたのはReffiの存在でした。彼女は(注:ココは夏町ドリームが入っているのでご注意下さい。Reffiが少女だというのは私の願望、もとい妄想なので・・・。)ゲームの主役であるところの戦闘機GauntretのナビゲーションAIで、ゲーム中は敵味方の兵装について知らせてくれたりするのですが、なんと、コンソール画面では彼女と対話することができるのです!(注:ココも夏町ドリーム。つまりはConfig画面なので、あまり期待されると困るかもです。でも、愛があればあなたもきっと対話できます。)そして、くるくる回る彼女のサイン(レプリカは@Reffi insideで見れます。)を眺めながら、彼女と楽しいひとときを過ごしていたわけで。いつも彼女と一緒に過ごすことの出来るGauntretのパイロットはさぞかし幸せだろうなぁ、これまた妄想していたのですが、しかし。見過ごせない事実がそこに隠されていたのでした。 「Guardian war report.」というものを、サターン版では隠しフィーチャーとして見ることができます。これは、ゲームの本筋であるGuardian戦役の直後にパイロットであるセネス・CTN・クロフォード大尉(彼女もまた女性。)が残したこの戦役の記録なんですが、そこにはReffiの名前がひとっつも出てこないんです!・・・記録にはGuardianの名前ばかり書き並べられていて、もうさながらラブレターのよう (^^; 気持ちは分かるのですが(私もGuardianは好きだ!!)ここは、おいてけぼりのReffiに同情せざるを得ません。だって、彼女こそ、セネスと最初から最後まで一緒にこの苦しい戦役を切り抜けた最大の盟友であるはずなのです。 そういうわけで、ここに、Reffiのために、Reffiのセネスへの想いを綴る物語を捧げることにしました。まだ前半部分ですが、とりあえず、話として読むことは出来ると思います。後半も二ヶ月の内にはまとめてどかっと書き上げる予定です。(「砂漠の鳥とオリーブの枝」は長尾山彦氏のPsychicForce本の題より。私のPF本、最愛のストーリーです(^^)) ===================================== Dedicated to "Reffi". ===================================== Hello again . . .- Extra story of Thunder Force V -それは、砂漠の鳥の物語。
Guardian戦役によって涸れ果てた地上に、「彼女」は最初の足跡を記した。
Reffiは、Guardianの願いを確かめるため、 それはまた、「レフィ」の旅の始まりでもあった。 Chapter 0. No Blue & Chapter 1. Man & Iron are now loaded at @ Reffi inside. Let's begin and enjoy the story!! |
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