etegami - Christmas 12.2184

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歌を唄って 2000年5月1日

二月の丘

天野 美汐

from

"Kanon"(Key)

「ティールナ・ヌォーグ 永遠の流れに 触れた心帰らぬまま
 光踊る そこはきっと 夢の戻り道 二月の丘」



語りつくせない物語があります。
言葉にできない想いの中に
まだ見ぬ物語が隠されています。

誰とも言葉を変わさない空白の時間には
淋しさと疑念とが生まれます。
こんなとき、時の傷口を
擦りつぶした命で埋めるように、
強く物語を求めます。

時の中を生きるよりも
時を抱きしめて生きられるように
自分についた嘘や
同じ後悔の繰り返しと戦うための
物語を探し続ける毎日がまた物語。

そして、言うなれば螺旋、
前に進まない物語はないのです。



「あれは遠い昔話、それとも昨日みた夢?」



(カッコ内は "二月の丘" zabadak より)





水姫氏による素敵なクロスオーヴァー。この天野と祐一と丘、私にください (^^; ぐわ、手ぇ握っちゃったよ〜ごろごろごろ〜、というわけで、私も天野です。特に文章だと私の書く天野はつまり私でしかなくて、無論自分の残した駄文としては好きだけど、キャラクターとして好きになれるかというと別の話。ということを他の文章書きの皆様は感じることがないでしょうか? 程度の問題かとは思いますが、私のは自分が出すぎてるかな。

昨日は水姫のお話を読んだ後に、丘と言えばザバダックの「二月の丘」ってまんま天野シナリオだよな〜、とか思って口ずさみながら"LeafFestival"(リーフ系only同人誌即売会)会場へ向かったわけですが、会場でいきなり「天野+二月の丘」小説本発見! やっぱそう思いますよね〜(^^; (MAPLELEAF & 毒電波反逆同盟 さんの本 "SNOWFALL") ものみの丘の妖狐=遥か昔に丘に封じられたままの狐のカムイ という設定で天野と「あの子」との出会いが描かれていて、そこのところがなるほどでした。Kanonの舞台がおそらく東北か北海道だから、遥か昔からカムイが存在するということ、あと封じられて外部との接触を絶たれたまま今に至ったから、彼らは今でもアイヌ(人間)と共に生きる意思があることと。真琴の話の背景の部分で(本質ではないにせよ)なぜ妖狐が人に興味を持つのかだけが分からなくて気になっていたところ、この見方には深みがあって良かったです。お話の中でものみの丘は普通の人には見えない丘で、天野には見える丘、そしてカムイとの出会い。そこで描かれるウィッチ的な天野がとても魅力的なのです(^^)


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