Открой
своё
сердце

.

Таня
Липинский
ターニャ・リピンスキー
アトクロイ スワヨー セルツェ


これは、ロシア語歴三日の不良生徒、夏町が、ターニャ先生のロシア語の授業を聞きとったノートです。というわけで、内容には私が聞き間違えた可能性がありますが、お気づきの方は、私までご一報いただけると嬉しいです。

ターニャのロシア語入門:第一回

Открой своё сердце
「アトクロイ スワヨー セルツェ」?



「ズドラーストヴゥイ(こんにちは)、ターニャ」

「ズドラーストヴゥイ。あ、夏町さん、どうしたんですか?」

「前に約束したよね。僕もロシア語勉強するって」

「はい! でももう言葉、覚えてくださったんですね。嬉しいです」

「・・・いや、実はまだこれだけなんだ」

「そうなんですか。でも、すぐに色々覚えられると思いますよ。私でよろしければいつでもお相手させていただきますから」

「うん、ありがとうターニャ。それじゃ、よろしくお願いするよ」

「早速なんだけど、『アトクロイ スワヨー セルツェ』って言葉のこと、色々教えてもらえないかな。自分なりに調べてはきたんだけど」

「オープン、ユア、ハート。心を開いて、という意味だってことは、前にお教えしましたよね」

「うん。それで単語を英語にあてはめて一つ一つ調べてみたんだけど、
オープンは、『開く』だから、Открыть(アトクロゥイチ)
ユアは、『君の』だから、Твой(トヴォーイ)
ハートは、『心』だから、сердце(セルツェ)
つなげると、アトクロゥイチ トヴォーイ セルツェ・・・
なんか似ているようで似ていないような言葉になっちゃって」

「ええ、でもあともう一息ですね。はじめに、Открыть(アトクロゥイチ)は動詞ですが、英語と同じように、ここでは命令形を使います。開く、じゃなくて、開いてください、と相手にお願いするときの使い方ですね。それで、Открытьの命令形がОткрой(アトクロイ)になるというわけです」

「辞書にはカッコ書きでОткройте(アトクローィチェ)というのもあるけど、」

「それは、複数の相手に対する命令形なんです。今回は父が私一人に言った言葉なので、Открой(アトクロイ)になります」

「次に、『君の』、を意味するТвой(トヴォーイ)ですが、ここは、たぶん、『自分の』、を意味するСвой(スヴォーイ)だと思います」

「え、たぶん、ってどうして?」

「すみません・・・わたしもなぜだか忘れてしまって。こういうの日本語では『ド忘れ』って言うんですよね」

(というわけで、ド忘れのターニャちゃんをどなたか助けてあげて下さい。正しい情報お待ちしています)

「最後に、『心』を意味する、сердце(セルツェ)ですが、これはあってます。」

「あれれ、でもそれじゃあ、つなげると、Открой(アトクロイ)свой(スヴォーイ)сердце(セルツェ)になるから、真ん中が違ってるよ」

「はい。実は、ロシア語の名詞には、ぜんぶ男性・女性・中性といった性別がついていて、それが関係してるんです。例えば、万年筆:Ручка(ルーチカ)は女性、鉛筆:Карандаш(カランダーシ)は男性、となるんですが、ロシア語の形容詞は修飾する名詞の性や単数・複数の違いによって変化するんです」

「сердце(セルツェ)は・・・(辞書を調べる)・・・中性だね」

「そうですね。それで、свой(スヴォーイ)の中性に対する変化が、своё(スヴァヨー、もしくはスワヨー)となんですよ」

「やった、これで、Открой(アトクロイ)своё(スワヨー)сердце(セルツェ)になった!・・・うーん、けど一筋縄ではいかなかったね。英語よりややこしんじゃないかな」

「確かにロシア語には、単語の語尾の変化が多くて大変そうに見えますが、その代わりbe動詞がなかったり、冠詞がなかったり、英語よりも簡単なところもあるんですよ」

「ようは、語学のむつかしさって、どんな言葉でも、本人のやる気次第で決まるのかもしれないね」

「そうですね。こういうのは、いやいややっても、覚えないものですよ」

「やる気だけは十分さ。また分からないことがあったら、聞いてもいいかな?」

「いつでもいいですよ。私もいつも夏町さんに日本語のこと、聞いてますから」

「ありがとう。それじゃあ、ダスヴィダーニャ!(またお会いしましょう)」

「ダスヴィダーニャ!」

「・・・ああ、いい湯かげんだ。今日も楽しい一日だったな。
あれ、そういえば、昔、ターニャは『アトクロイ』じゃなくて『アクトロイ』って言ってたような気がするなぁ。あれって、ロシア語の訛りだったのかな。ナホトカにはウクライナ系の人たちもいるって本で読んだけど、それで、ウクライナ語が混ざってるのかもしれない。って、僕はウクライナ語しらないから分からないけど。それとも、僕の聞き間違いだったかな・・・」

(ゲーム本編では「アトクロイ」ではなくて「アクトロイ」となっています。この違いについてごぞんじの方がおられましたら、これまた御連絡いただけると嬉しいです(^^; )

参考図書

  • エクスプレス ロシア語(桑野 隆、白水社)
  • 羊皮紙に眠る文字たち スラブ言語文化入門(?、? また調べてきます)

「Open your Heart」へ

Indexへ


★mail to WebMaster★
夏町 銅貨