+ + + + +

わっふる・わんだーらんど
waffle wonderland





『神戸屋のおねーさん』 v.s. 『演劇集団キャラメルボックス』

1999/5/5



とある水曜日の午後五時半。
大阪駅をさまよう二つの影がありました。

夏町さん、梅田って詳しいんですか?
まかせとけって・・・って言ってたけど、
さっきから何度も同じところを通ってるんじゃないですか。

みなさんこんにちは、ちいさいほうの茜です。
今日は演劇集団キャラメルボックスの公演を観に
大阪梅田、シア夕ードラマシティーヘ行こうとしているのです
・・・が、どうやら道に迷ってしまったようです。

夏町さん、右か左か迷ってるようです。あ、左に行きました。

「わーい、神戸屋のお姉さんだ〜」

別のものを発見したようです・・・。
夏町さん、早く行かないとチケットなくなっちゃいますよ。
神戸屋には後でも行けるけど、公演はこれっきりなんですから!

・・・とそれが五日前のこと。
今回は研究会帰りの夏町さんと落ちあって、
神戸屋キッチンに来ています。
でもいいんですか、寄り道して。

「いいでしょ、交通費自腹なんだし。」

前回、公演終了が10時で神戸屋の閉まってしまったことが
よほど悔やしかったらしいです。
けれどもまた、座席で敗北してます。
店内がよく見わたせないところですよね。

「よく見えないどころか窓を向いたカウンター席とは、EARLの時よりひどいよ。」

でもおかげで、お姉さんたちの制服姿に見とれてないで、
キャラメルの話ができますね
・・・って、夏町さんムチャクチャ不腹そう。

キャラメルは去年の夏コミの後、観に行った『さよならノーチラス号』、続いて秋の『ケンジ先生』、そして今回と三度観に行ったわけですが、いつも安心してハッピーになれる劇団だと思います。
前説の段階から最後まで冗談を交じえながらも、
はじまりはあっと言わせて話に引き込み、
途中にははらはらさせて、最後に涙を誘わせる。
いつも、一つの舞台の中に、時と場所とをまぜっかえしたように
詰め込んでいて、それでも分からなくなるようなことはない、
不思議な感覚。
なによりー本ー本がファンタジーとして丁寧につくられていて、
そこが一番好きかしら。

「舞台中にあふれてるサービス楕神が好きだな。
 まるでアンナミラーズのおねーさんのようだ。」

どういう例えですか。

「特に今回は、出演者の名演が光っていたと思う。
 それはまるで神戸屋のおねーさんの笑顔に匹敵するとかしないとか。」

・・・例えはともかく、今回はハーフタイムシアターと銘打たれた異例の舞台で、それぞれ一時間の舞台を二本立てでやるという、とんでもないものです。
いつものように凝った話はできない分、短時間に集中されたみなさんのパワーがダイレクトに胸に飛び込んできました。

せっかくなのでそれぞれの舞台の紹介もさせてもらいますね。

「北海道クリームシチューパンはなかなか良いぞな。」

・・・違うでしょ。

『銀河旋律』

夕イムトラベルが実用化されてしばらく経ったある日。
ニュースキャス夕ーの僕と高校教師の彼女は、
誰かが過去を変えて、僕ら二人の仲を裂こうとしていることに気がついた。
過去が次々と変わり、僕らの記憶に新しい記憶が侵入する。

元の記憶が残っているのは、たったの一時間だけ。
その間に過去を戻さなくては、元の記憶は新しい記憶にすり変わって
もう、記憶が変わったことさえ覚えていないんだ。

そして今、僕の中には、
彼女を好きな僕と別の彼女を好きになった僕の二つの記憶があった。
どちらもリアルな記憶。
それは、嘘に変わろうとしている本当と、
本当に変わろうとしている嘘。
幸せとは本当の中にあるのだろうか、
それとも嘘の中にあるのだろうか。

僕はどっちを選ぶ?

「SF的な題材なのに、全編、万葉の恋歌でもってファンタジーに引っ張ってってしまうところが夏町的にはツボ。それと、あとで気づいちゃったんだけど、舞台もちょうど一時間なのだ。」

『広くてすてきな宇宙じゃないか』

わたしの家にアンドロイドのお婆ちゃんがやってきた。
お母さんが死んでしまって、
だからお父さんはわたしたち子供のために、お婆ちゃんを呼んだんだ。
料理に家亊、星の話にお婆ちゃんの知恵まで、
お婆ちゃんにできないことはない。
お姉ちゃんやお兄ちゃんはお婆ちゃんを認めたけれど、
わたしは絶対、認めたくなかった。
人はいつか死ぬ。
アンドロイドだって、いつかは壊れるんだ。

だから、アンドロイドのお婆ちゃんなんていらないから、
好きになりたくなんかないから、
わたしはお婆ちゃんを、今この手で、壊す。

そして、充電池で動いてるお婆ちゃんを壊すためには、
東京中の電気を止めなくちゃならなかった。

「メリーポピンズ? いやいや、それだけじゃ終らないのがキャラメル流。天下無敵のお手伝いさん、ならぬ、お婆ちゃんがとても格好いい。夜空の星のありさまを人のありかたに掛けるセンスがとっても好きだ。」

お薦めなんですけど、最後の福岡公演も4月27日に終わっちゃいましたね。 次の公演は夏に東京と神戸であると思うんで、その機会にはぜひ劇場へ足を運んでみてください。損はさせませんよ。

素敵なおねえさん「こちら九時までの営業となっておりますので、どうぞよろしくお願いします。」

「ありがとう。・・・五分前か。八時半がラストオーダーだけど、八時頃までは混んでいるから、席に座るのは大変だなぁ。」

キッチンは軽食中心なので、神戸屋レストランの方にも行ってみたいですね。

「それで、巡ってくるおねえさんにパンを薦めてもらうのだ〜。
 ・・・では行こうか。」

それでは、また〜。




神戸屋キッチン 大阪駅店にて

  • アイスコーヒー(220円)・北海道クリームシチューパン(160円)・クリーミーパイ?(180円)・あんドーナツ(130円)
  • 演劇集団キャラメルボックス
    『銀河旋律』(2500円)
    『広くてすてきな宇宙じゃないか』(2500円)
    (奈良県民割引込み)

・・・今回ぜんぜん「わっふる」じゃないですね (^^;

わっふる・わんだーらんどのIndexへ

わっふるwonderlandのIndexへ

★mail to WebMaster★
夏町 銅貨
+ + + + +