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わっふる・わんだーらんど
waffle wonderland





『メイド風ウェイトレスさん』 v.s. 『時計坂の家』

1999/9/1



「うぇるかむとぅ〜、うぇるかむとぅ〜」

「うぇるかむとぅ〜まいは〜」

?・・・夏町さん?

「・・・げっ、げふっ、いや、なんでもないんだ」

? ええと、気を取りなおして、と。
みなさんこんにちは、小さいほうのあかねです。
夏町さんは、今日も今日とて制服めぐり。
もう、大阪へ出張するたびこれですから・・・。

心斎橋で降りて、地上をさまようこと5分、
デパートの2階へ上がりました。
今回はどこを目指してるんでしょう?
めずらしく若い女の子ばかりのお店です。
あ、ティーカップやポットには"AT"ってエンブレムが付いていますね。

「ATといえば、FSSはアトロポスが出てきて嬉しかったにょ」

にょ、っていったい・・・??
それはともかく、これって先々月号のネタですよ。
いつこの原稿書きはじめたかバレちゃうじゃないですか。
それに、ここのウェイトレスさんってふつーのエプロンなんですけど、確か今回はメイドさんを探していたのでは。

「『つまらない事、気にしないにょ。ミスっちゃっても転んじゃっても、前向きにGO GO!』だにょ」

にょ・・・って夏町さん、なにかごまかそうとしてませんか?

「・・・・・・ごめん。お店まちがえた」

な、

「というわけで、退散するにょ」

うわわわわわ〜。
アフタヌーンティールームのみなさま、なんとなくごめんなさ〜い。

同じフロアをさまようことまた5分。
ようやく中二階にある神戸珈琲物語にたどり着きました。
どうやら夏町さん、目指すところが紅茶のお店だっていう先入観があったみたいです。

吹き抜けの階段に面していて、広々としています。
シックな雰囲気で、ATとは対照的に男女問わず大人が友達連れで来れるお店ですね。
とりあえずおすすめのケーキセットを頼む夏町さん。
って、あ〜っ、となりにワッフルもあるのに〜。

「ATで食べた分があるから節約にょ」

うぐぅ。いいもん、このお水、全部飲んでやるもん。

・・・ここではお水をミネラルウォーターのボトルから注いでくれます。残ったお水はボトルのまま横に置いてあって好きに飲めるのが珍しいですね。ボトルをおかわりしてみましょうか?

「はずかしいから、やめてほしいにょ」

さっきの仕返しですよ。

夏町さん、今日はどんな本を持ってきたんですか。
『時計坂の家』? あ、これは挿絵がとても素敵な本ですよね。
挿絵と文章に書いてあることとが違うっていうのがよくあって、
それだったら挿絵なんて無いほうがいいってよく思うんですが、
この本は絵に嘘がなくて気持ちがいいです。
お話の高楼方子さんと絵の千葉史子さんは姉妹だそうなんで、
それで息が合うのかもしれませんね。

ウェイトレスさん『・・・お待たせしました、』

あ、ケーキが来ましたよ。
ウェイトレスさんの方は、ほんとに流行りのメイドさん風の制服ですね。黒のブラウスに白のエプロンと髪かざり。下が黒のタイトスカートっていうのが現代的というか機能的です。

「ウェイトレスさんの持ってきたポットを見てごらん」

これ何入ってるんですか?
・・・あ、コーヒーだ。
紅茶ならティーポットに入って出てくるのは珍しくないですけど、
コーヒーははじめて見ました。
ゆうに三杯は飲めそうですね。

「というわけで、のんびり読書タ〜イム」



どうでした?

「夏休み、かすかな想い出を残す祖父の住む街へ、
 手紙をくれた憧れの同い歳の従姉妹に会うために
 旅立った内気で夢想しがちな少女が、
 その従姉妹に期待しすぎてしまって
 裏切られてしまうことに不安になったり、
 逆にちょっとした好意に浮かれてしまったりする
 そんな微妙な心の動きにのせて、
 『マツリカの園』への焦がれる気持ちが
 ぐぅっと真っ直ぐに伝わってくるんだ」

『マツリカの園』ってどんなところだと思いますか?
そもそも、主人公フー子のおじいさんが住む家の
中二階の窓の向こうに広がる深い緑の茂る庭、
フー子にしか見えないのはどうして?

「人が焦がれ続ける場所だと思う。
 人はそれぞれ、過去か未来にいつかきっと居たはずの、
 けれど今はもう二度と戻ることのない
 きらきらした場所というのを持っていて、
 世の中には、
 その場所に焦がれ続けねば生きてゆけない種の人がいる。
 そこに強く惹かれていても、
 けして実際に行くことはできないほど
 日常の引力が強いということを知っていて、
 その気持ちを捨ててしまうんじゃなくて、
 ずっと心に持ったまま生きてゆける、ということが
 とても頷ける内容だったよ。」

フー子の従姉妹のマリカがエキセントリックでいいですよね。

「前半でマリカの奇異な魅力が描かれてるからこそ、
 本物の主役がフー子だということが、強く浮かびあがってくるよ。
 おとなしくて目立たないフー子とは正反対のマリカこそが、
 ほんとうは日常の代表で、
 彼女のような人がいるからこそ、
 なんでもないような日常のこともいとしく思える。
 マリカのことは、最後の手紙を読んで一気に好きになったね。」

夏町さんがONE(Tactics)を好きなのも、
よく似たことなのかな。

「あれはニアミスなんだ・・・。
 似てるんだけど、こんな風に読みとる限りは、
 谷山由紀の『天夢航海』(この辺りを参照)や
 この『時計坂の家』のほうがしっくりくる。
 二つの世界を選ぶのはもっと瞬間の出来事だと思うから、
 帰ってくるのなら一年は長すぎた。
 でも、ONEは永遠の世界の描写が秀逸なんで、
 そこのところで十分満足してるよ。」

せっかく「屋上の王国」なんてのがあるんですから、『天夢航海』と合わせてほんとうはそっちに載せるべき内容ですけど、それはまた今度ということで。

「今はリンクだけ張っておくにょ」

あ、また「にょ」が復活しましたね。
さっきからいったい何なんですか?

「これ〜(^^)」

でじこ

某キャラクターグッズ店のマスコットですね。なぜに・・・。

「だってメイドねこさんでしょ。今回のテーマどおり」

・・・どれどれ。え〜っと、でじこちゃんはエプロンドレスを着た小人さんとしか書かれてませんよ。メイドさんじゃないです。ちなみにいおりんのファンらしいです。

「が〜ん、そうだったのか。たしかに髪飾りもないし、
 いおりんファンではなんだか違うような・・・しくしく。
 でも好きなのさっ。」

こんどからはちゃんと調べましょうね。
さて、次は神戸屋レストランの予定です。
またお会いする日までごきげんよ〜。

「よ〜〜(T-T)」

神戸珈琲物語 大阪そごう店にて

  • ケーキセット(チョコケーキ、997円)
  • 高楼 方子 『時計坂の家』(リブリオ出版、2100円)

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夏町 銅貨
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