ざうすけ ver1.5 取り扱い説明書
「ざうすけ」はフリーのザウルス用お絵描きMOREソフトです。
ver1.4からの主な変更点を赤字にしています。
ざうすけは画像を扱うため、多くの動作用メモリを消費します。そのため、他のMOREソフトが動作している状態ではメモリ不足のため起動しない可能性があります。他の全てのMOREソフトを終了してもざうすけが起動しない場合は、簡易リセット(電源ぶたスイッチのロック→解除→ロック)で不要な動作用メモリを解放してみてください。(動作用メモリはインデックスの「メモリ管理」で管理できるメモリとは別のものです。)
ざうすけには三つの画面モードがあります。一つは起動時に表示されている「ブックモード」、あとは画像を描く時の「スケッチモード」と、画像だけを順にブラウズするための「スライドモード」です。
起動して最初に表示されるブックモード画面には、本体メモリ内にある画像ファイルがリスト表示されています。新しい画像を描き始めるためには、「新規縦」ボタン、あるいは「新規横」ボタンを押して下さい。それぞれの向きの新しい用紙で描き始めることができます。既存の画像を修正するためには、リスト表示されたファイルを2回タッチするか、画面右端にあるファイル名の表示されたタブをタッチして下さい。
なお、ざうすけの作るBMPファイルは一つにつき9662bytesです。ざうすけはメモリ容量について注意していないため、使用メモリ容量が上限に近い場合に問題を起こす可能性があります。このため、メモリについてはインデックスの「メモリ管理」や他のMOREソフトを使って、ご自身で管理するようお願いします。
読み込める画像形式
保存可能な画像形式
ブックモードでは、画像の新規作成、修正する画像の選択、画像ファイルの削除・変更・複製、JPEG画像の書き出し・読み込みを行うことができます。
▼ ブックモード(BMP画像リスト)はじめに現在リスト表示されているファイルの保存場所が表示されています。保存場所には「本体」と「カード」の二種類があります。これはザウルスの『カード』ボタンを押すたびに切り替わります(ザウルスにCFカードが挿さっている場合のみ)。
スラッシュ("/")で区切られた数字は、左から順に「メモリに格納されているBMPファイル数」「真ん中に全ファイル数」「ザウルスの本体メモリに格納できるファイル数の上限(511個、ただしMI-C1は無制限)」を表示しています。この表示を見ながら全ファイル数が上限を越えないよう注意して絵を描いてください。越えてしまった場合の動作は全く保証されません。なお、カードについては特にファイル数の上限について公式に言及されていないため、全ファイル数及び上限を表示しません。
現在選択されているファイル名です。アンダースコア("_"記号)は空白に変換して表示されます。このファイル名の書かれたタブをクリックすると、スケッチモードに移行して、選択したファイルに手を加えることができます。
また、「機能キー+クリック」で、スライドモードに移行します。
ファイルリストを表示したい画像形式を「BMP」と「JPG」の二つから選ぶことができます。
「ファイル」「更新日時」ボタンを押すと、それぞれファイルリストがファイル名順・更新日時順にソートされます。一度押す度に昇順、降順が切り替わります。
このボタンを押すと、スケッチモードに移行して、縦書き(縦300pixels, 横240pixels)の新しい絵を描くことができます。
このボタンを押すと、スケッチモードに移行して、横書き(縦240pixels, 横300pixels)の新しい絵を描くことができます。
選択されている画像を削除します。
選択されている画像の属性を変更します。変更できる属性は、
選択されている画像を複製します。このとき、複製されるファイルの保存場所(本体・カード)、用紙の向き(縦・横)、ファイル名を変更することもできます。
選択されている画像をJPEG形式に変換します。変換後のファイル名は、元のファイル名の拡張子.BMPを.JPGに替えたものになります。元のBMPファイルはそのまま残ります。変換後のJPEGファイルは、ザウルスのフォトメモリ/手書きメモ機能で読み込むことができます。
大きさは、縦240x横300pixelのみです。元のBMPファイルが縦300x横240pixelの場合、右に90度回転して書き出します。
また、レイヤを持つ画像の場合、ファイルを開いた時に表示される状態と同じ状態でJPEG形式に書き出されます。例えば、保護レイヤを灰色の状態で保存している場合、JPEGファイルのほうにも灰色の保護レイヤと黒色の描画レイヤが重ねられた状態で書き出されることになります。
スライドモードへと移行します。
選択されているJPEG画像を、左の10pixelを無視して開きます。 これは、ざうすけで作成した画像を「フォトメモリ」上で修正すると、左に余分な10pixelが加えられるため、それを取り除くために用います。(「フォトメモリ」上での画像修正については、「フォトメモリとの画像のやりとり」を参照)
このボタンを押して開いたJPEG画像は、左に10pixelずらされています。それ以外は、普通に画像を開いた場合と同様です。選択されている画像を1bitBMP形式に変換します。ダイアログが出ますので、変換後のファイルの保存場所、画像の向き、ファイル名を決定してください。元のJPEGファイルはそのまま残ります。
ボタンを押すかカーソルキーで、選択してください。ようするに、カーソルキーのあるザウルスでは片手で新規画像を作成することができます。
スケッチモードでは、各種ツールを使って絵を描くことができます。
このモードの時にザウルスのオートパワーオフ機能で電源がオフになると、
未保存の編集内容は失われてしまいます。
ザウルスを触らなくなる前には、必ず画像を保存してください。
また、ザウルスのMOREソフトはATAカード着脱時に自動的に終了する設定となっており、
このときもスケッチモードでは未保存の編集内容が失われてしまいます。
カードを着脱する前には、必ず画像を保存してください。
スケッチモードにおいては、電源OFFあるいはアプリケーションを変更した場合に未保存の編集内容が失われるため、誤操作を防ぐ意味で電源「切」キー、アプリケーションキーが無効になっています。これらのキーはブックモードへ戻れば再び有効になります。
絵をファイルに保存します。画像形式は1bitBMP形式です。新規作成されたファイルの場合、ダイアログが表示されますので、保存場所、用紙の向き、ファイル名を決定してください。ファイル名は、1文字以上8文字以内です(拡張子.BMPは自動的につけられるので、ユーザが入力する必要はありません。)
使える文字は、"A-Z"、"_","0-9"の37文字です。すでにあるファイルと同じ名前では保存できません。
「機能キー」を押した後に保存ボタンを押すと、現在と別の名前をつけて保存することができます。元のファイル名と同じファイル名で保存することはできません。
レイヤに関しては、「XXXXXXXX(ユーザの決めた8文字以内の英数字).BMP」に保存されるのは現在の描画レイヤの内容のみです。保護レイヤの内容は「XXXXXXXX(描画レイヤと同じ8文字以内の英数字).BMM」という独自フォーマットの別ファイルに保存されます。ざうすけ上で画像ファイルの削除を行う場合は.BMPファイルと.BMMファイルの両方が削除されますが、他のソフトでは二つを別々に削除する必要があります。
画像のタイトルが表示されています。(新規作成の場合、"New Sketch"と表示。) この部分を押すとブックモードに戻ります。
また、「機能キー+クリック」で、スライドモードに移行します。
絵の状態を一回手を加える前の状態に戻します(アンドゥ機能)。
アンドゥボタンを押したあと、もういちどアンドゥボタンを押すと再び手を加えた状態へ戻れます(リドゥ機能)。
アンドゥ可能な状態ではチェックマーク"v"が、
リドゥ可能な状態では丸印"○"が、アンドゥボタン上に表示されます。
メッシュツールパレットを開きます。すでに開かれているなら閉じます。ボタンには現在選択されているメッシュパターンが表示されています。機能キーを押しながら開くと、パレットの縦横が替わります。
ペンツールパレットを開きます。すでに開かれているなら閉じます。ボタンには現在選択されているペンのサイズと色が表示されています。機能キーを押しながら開くと、パレットの縦横が替わります。
保護レイヤの色を変更します。ボタンを押すたびに、灰色(斜線で表示)→黒色→白色→灰色→・・・の順に変わります。詳しくは「レイヤ操作」の項を参照してください。
描画レイヤを切り替えます。現在の保護レイヤが描画レイヤに、描画レイヤが保護レイヤへと替わります。(レイヤの属性が変わるだけで、上下が変わるわけではありません。)詳しくは「レイヤ操作」の項を参照してください。
レイヤ切替ボタンには上向きの三角と、下向きの三角マークが描いてあり、これが上下二枚のレイヤを表しています。
レイヤの合成は「機能キー+レイヤ切替ボタン」です。
このとき、
このボタンが選択されている間は、黒色のペンで線を描くことができます。
「機能キー」+ペンボタンで、全画面を黒に塗りつぶすことができます。
このボタンが選択されている間は、消しゴムで
線を白く消すことができます。
「機能キー」+消しゴムボタンで、全画面を白に塗りつぶすことができます。
ペン、あるいは消しゴムの大きさを変えます。ペンの大きさと消しゴムの大きさは、それぞれ別に記憶されます。
ペンツールパレットを閉じます。
ペンに以下のような網点状のペン先をもたせて、線に濃淡をつけることができます。
メッシュツールパレットを閉じます。
メッシュペン(白地に黒で描く場合)
左上より
1,2,3,4,5,
6,7,8,9,10
メッシュ消しゴム(黒地に白で描く場合)
左上より
1,2,3,4,5,
6,7,8,9,10
「壱」「弐」:メッシュツールの背景色
メッシュツールパターンの白ヌキ部分の色を
「透明」と「白」のどちらにするかを選択できます。
メッシュツールパレットの右端に選択ボタンがあります。
上のボタン(壱)が「透明」、下のボタン(弐)が「白」です。
(左)黒地の上に、背景色「透明」で線を引いた場合
(右)黒地の上に、背景色「白」で線を引いた場合
ざうすけでは上下2枚重ねの画用紙(以下、レイヤと呼ぶ)を用いて、絵画で言うところのマスキングやトレス台の効果を実現することができます。 ユーザは2枚のレイヤの内、一度にどちらか1枚に対して絵を描くことができます。このとき、描くことのできるレイヤを描画レイヤ、描けないほうのレイヤを保護レイヤと呼びます。
描画レイヤに描かれている絵と保護レイヤに描かれている絵は、その両方が重なって見えます。ちょうど2枚の薄いノートを太陽に透かして見るような感じです。このとき保護レイヤの絵は(くどいようですが)その名の通りペンや消しゴムによる描画から保護されているため、描画レイヤにいくら絵を描いても、保護レイヤの内容は変わりません。ですから、保護レイヤの画像を下絵として重ねて見ながら、描画レイヤで作業を進める、というようなことができます。
レイヤ切替ボタンには上向きの三角と、下向きの三角マークが描いてあり、これが上下二枚のレイヤを表しています。
保護レイヤの灰色の濃さは変えられないので、ザウルスのユーザ設定機能を使って適当な色になるよう調整してください。
スライドモードでは、画像だけを順番に閲覧することができます。イマジネーションを膨らませて新規画像を描きはじめる、あるいは気になる画像にすぐ手を加えるといったことができます。
スライドの背景色は白と黒から選べます。またタイトルがザウルス画面の左下に表示されます。(下図はザウルスを縦に持っているため、右下になる。)
以下の説明はザウルスを横に持った場合のものです。
背景白 |
背景黒 |
スライド設定
ざうすけのJPEG読み書き機能を用いて、フォトメモリと画像のやりとりを行うことができます。ざうすけで作成した画像を、必要な時だけフォトメモリの機能を用いて修正するような状況を想定した機能です。
手順は以下の通りです。
フォトメモリからPC送出を用いて書き出されたJPEG画像の名前は、 ザウルスの「パソコンデータ」画面で確認することができますが、 ざうすけ上では「パソコンデータ」上の名前と同じ名前で表示されません。 更新日時から該当のファイルを予想して開いてください。
なお、はじめからフォトメモリで作成した画像はGIF形式であり、PC送出を行っても「ざうすけ」で読み込むことはできません。一方、ザウルスのデジカメで撮ったファイルなど、JPG形式でフォトメモリに保存されているものは、PC送出を経て「ざうすけ」で読み込むことができます。
いくつかの方法があります。
CFカードを利用可能な機種の場合、PCへ送りたいファイルをブックモードの「複製ボタン」を使って、カード側へコピーしてください。CFカードの内容はCFカード専用アダプタを使って、PCカードスロットを持つノートPCで読むことができます。
長井様によるフリーウェアClipLinkを使えば、BMP形式のファイルを簡単にWindows側へ送信できます。
ブックモードからメニューパレットの「JPEG」ボタンを使って、画像をJPEG形式に変換してください。その後、ザウルスパワーコネクションを使って「パソコンデータ」に格納されたJPEG形式のファイルをPCに読み込んでください。
ブックモードからメニューパレットの「JPEG」ボタンを使って、画像をJPEG形式に変換してください。その後、ザウルスのフォトメモリ/手書きメモ機能のメニューから「PC読込」を選んで、変換したJPEGファイルをフォトメモリに読み込んでください。あとはSharp Space Town for Zaurusなどで提供されているザウルスクリップなどを使えば、簡単にPCへ画像を送ることができます。
スケッチモード画面ごと、PCでキャプチャーします。 SZABサポートページの 便利なツールコレクションにあるスナップショットツールや画面ハードコピーツールを使ってください。
他の適当なMOREソフトを使って画像ファイルの拡張子を.BMPから.GIFなどに一時的に変更すれば、「パソコンデータ」としてパワーコネクションで読み込むことができます。拡張子の変更などのファイル操作はザウルスを壊す危険性があるため、この項に書いていることの意味が分からない方は、やらないようにしてください。全て、自己責任でお願いします。
JPEG形式への変換は元となる画像に不可逆圧縮をかけるため、元画像に対して一目では分からないようなノイズが入ります。フォトショップを用いれば、このノイズを簡単に除去することができます。フォトショップで読み込んだ画像のモードをRGBからグレースケールに、続いてグレースケールからモノクロ2階調に変換します。モノクロ2階調へ変換する際に、変換方式を「50%を基準に2階調に分ける」を選びます。この手順によって、JPEG変換時のノイズはほぼ100%消えると思います。
レイヤの基本機能について例を挙げながら説明します。
1.新しい絵を描きはじめたときは、下レイヤが描画レイヤ、上レイヤが保護レイヤです。はじめは保護レイヤの内容は真っ白です。このため、見えているのは描画レイヤの画像のみです。
2.レイヤ切替ボタンを押すと、現在の描画レイヤが変わります。その結果、上レイヤが描画可能なレイヤに、下レイヤが保護されるレイヤになります。保護レイヤの絵は、レイヤ色ボタンで決定された色に変わります。現在は灰色です。
3.下の保護レイヤを見ながら、上の描画レイヤに絵を描き進めます。
4.途中いつでも、レイヤ切替ボタンを押して描画レイヤを変えることができます。
5.レイヤ色ボタンを押して、保護レイヤの色を黒に変えました。
6.もう一度レイヤ色ボタンを押して、保護レイヤの色を白に変えてみました。保護レイヤに絵が描かれているかどうかは、レイヤ切替ボタンの三角が「白」か「斜線」かで判断することができます。
7.保護レイヤを黒色に変えて、「機能+レイヤ切替ボタン」で、保護レイヤを描画レイヤに合成しました。
レイヤを利用する場面について、キャラクターイラストの例を挙げながら説明します。
キャラクターイラストの場合は、多くの場合、先にキャラクターの輪郭線を描いてから色を塗る、という手法が利用されます。レイヤを使わない場合、この色を消す際に輪郭線まで消してしまう恐れがありますが、 このときレイヤを用いると、輪郭線に影響を与えることなく色を塗ることができます。
1.キャラクターの輪郭を描きます。
2.色を塗った状態です。これは続く2-(a)と2(b)のレイヤが合成された状態です。
2-(a).こちらが保護レイヤです。
2-(b).こちらが描画レイヤです。実際は、保護レイヤを黒にして輪郭を見ながら塗り進めました。これはキャラクターに色を塗る例ですが、背景も同じように輪郭と塗りを分けて塗り進めました。
3.2の状態から描き進めたものです。これから輪郭周辺のグラデーションに手を加えます。
4.せっかく描いた部分を消さないように、3の画像を保護レイヤとしてから描画レイヤに修正を加えます。実際は、保護レイヤを黒にした状態で描いています。
5.3と4の合成された状態です。