How to PrismPocket


【完成図】

ザウルス用お絵描きソフトPrismPocketで絵を描く手順の一例をまとめてみました.絵が上手くなくても時間をかければそれなりの形になるという,泥臭いところをお見せできればと思います.


1.下書き(1)

海岸にて,集中する背景光,風景の一部として機能する少女,という感じで絵の要素を二つ三つ思い浮かべながら描き始めました.

途中で首が長いことに気付いたので,翌日以降忘れないように走り書きのメモがあります.今回の絵は完成まで4日程度に分けて製作されました.


2.下書き(2)

さっきの首の長いところを,フォトメモリの移動ツールで修正しました.フォトメモリはWDW(擬装JPEG)を認識しないので,mabさんのJpegCutter & Movieで読み込んで通常のJPEG形式で保存後,フォトメモリで読み込みました.

気が変わって場所を描き直しました.子供のころ靴を汚しながら歩いたような水路,夕日,自転車,ガードレール,排水口が絵の要素です.


3.下塗り,様子見

色の下塗りをしながら絵の感じがどんなもんか眺めます.女の子はシスプリの四葉ですが,まるでそうは見えなかったのでオリジナルの絵を参考にしながら髪型を変えました.このとき間違って線の色が黒になっていますが,どうせあとから別の色で上塗りされるので気にせずに続けました.左下に変な生き物がうごめいていますが,これは完成図では消えています.

また,絵全体を右へずらしました.画面左端の書き足したところがまだ目立ちます.


5.塗り重ね

上の夕日が黄色とか橙色なので,コンクリートブロックは補色の紫や緑を中心に塗ってゆきます.緑はブロックの苔や汚れにもなっています.

色鉛筆調の塗り方は,水彩レイヤに一番細いサイズのブラシを使って,不透明度30%くらいで同じ方向(この絵の場合,右上から左下)にブラシを走らせます.一面を塗り終えたら乾かして,また同じように上から塗り重ねます.


6.色をなじませる

「画面塗りつぶしボタン」を使って,薄い橙色を水彩レイヤ一面に塗ります.こうするとお手軽に全体の色あいを統一できるのでアナログ画材の頃からよく使っている手法ですが,反面,絵がのっぺりしてしまうという欠点もあります.

髪,ガードレール,自転車などは,最終的に出来上がる絵の調子が分かるこの段階に来てようやくちゃんと塗りなおします.排水口の位置もいまさらのように変更しています.塗りなおしは全て,背景レイヤでガッシュを使って上塗りです.色はスポイトで近隣の色をとってくれば問題なく周りとなじみます.

おへそ追加.


7.仕上げ

ハイライトを入れます.下のほうを暗くして明暗の差を大きくしました.影はウソ影で,とくに人体は薄く発光する妖精のようなイメージで塗っています.逆光のとおりに塗ると恐ろしくなりすぎる気がして今はやめました.ここのところは絵を添付する文章に合わせてあとで塗り変えるかもしれません.

最後にPrismPocketからBMP形式で書き出し,PCのPhotoshopで色補正をして左の完成図となります.


8.おわりに

描きたいもの,というのは絵を描く前にあるというよりは,描き始めて,描いているうちに生まれてくるように思います.部屋の模様替えをするみたいにああでもないこうでもないとお気に入りの配置を探しながらいくらでも書き換えの出来るところが,デジタル画材の魅力ではないでしょうか.(2002/5/1)





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Soga Juroh