女の子の話を全部聞いた後でようやく彼女のこと選ぶんじゃない.君が好きだ,って告白するのは,そんなに後のことじゃない.
それは初めだ.女の子を初めに選んだからこそ,彼女の話を聞くことができる.んで,それから好きになってゆく.

出会い系みたいだけど,話を聞いた後に,こいつ嫌い,別れる,って感じじゃない.
もっと前のめりの運命系.主人公にとっては幼馴染でも,僕にとっては「一目惚れだったね」と後になって思い出されるものでしかない.

話を支えるのは,僕らの特定の女の子に対する指向であってさ,
話の妥当さの判断がそこにおかれてないと,
川澄舞が何言ってんのかということはおそらく納得できないし,
その逆に,だからこそ女の子の言うこと信じないっていうのもある.

選択肢をクリックして,その先はバッドエンドだった.
この失敗は取り返しがつかなくて,一度失敗してしまったのだということは,
やり直した後にいつまでも頭の隅に残り続ける.
失敗は話の上では無かったことになるけど,僕の踏んだ道には残り続ける.地雷だ.片足は戻ってこない.

女の子を初めに選んでしまったことの取り返しのつかなさというのは,そんな逃れられなさです.
なんで初めの選択ごときがそこまで影響するんだって思うかもしれないけど,
それは,この場所が特に運命的な出会いに満ち過ぎてるからじゃないかな.

センチの場合,ゲームの中ではじめて思い出されるっていうよりは,雑誌展開が先にあった.
前に言ってた忘レナ草の紹介文と何が違うねん,というと,センチは未来まで見せなかったから,前のめりになったんだと思う.
ああ,違うか.僕が変わったんだ.
今はもう,女の子の過去の話が紹介されているのを見ると,それが未来に起こる出来事に思えて仕方ないのだから.


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