ホシマツリ Scene13. 星 祭 星祭の夜。 広場の樹に星洋燈がたくさんつり下がっています。 そして少女は、 いつものティアン・ヨッドの側にいました。 マスター:クーランが向こうからやってきます。 クーラン:「ムイ。」 ムイ:「あら、クーラン。・・・もう貴方は星魔法使いさんなのかしら?」 クーラン:「・・・君にプレゼントが・・あるんだ。」 ムイ:「え?」
マスター:クーランはムイの目の前に自分の洋燈を差し出します。一呼吸おいて、洋燈の光は中でゆっくりと回りだし、突然 ぱっ と輝きました。
ムイ:「!!!あぁ・・えっ、、、なに・・・。」
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マスター: 空は、満天の美しい星で埋め尽くされ、地上でも、星の洋燈が川をつくっています。 でも、有り難う、とそういった彼女の星洋燈を見つめる両方の瞳の宇宙に、ひとつづつ、それよりもっと美しい星が映りました。
ムイ:「この星洋燈は貴方の?・・・きれいな光。いったい、どんな願いが込められているのかしら?」
マスター:光は、すぅっと、尾を引いて天にのぼります。それを夜空のなかほどでコーラルが受けとめて去ってゆきました。
クーラン:「ごめん・・・・。でも、君の目が見えるのは・・・。」 マスター:・・・クーランはちょっと逡巡しているようだ。 シン:勇気を出すんだ!『ほんのすこしの勇気』 マスター:クーランはシンのほうを見てから意を決したような顔になって、 クーラン:「・・・一晩の間しか駄目なんだ。」 ムイ:「いいわよ。もともと見えなかったんだから。今日一晩の夢でも。」 クーラン:「でも必ず、僕が!・・・」 マスター:ムイはふわりと笑う。 ムイ:「・・・それじゃあ、この夢の世界を案内してくれるかしら?」
シルバス:「ご主人、人というものは一生ずっと目が見えるよりも、ほんの一瞬見えたほうがなんらかの価値を得るかもしれないミャア。」 シン:「そうだよね。そのほうが、たくさんのものが見えると思う。」
シルバス:「・・・この街、俺はとても気に入ったミャア・・・中華街を除いては。」 シン:「この街は好き。」 シルバス:「とりあえずわしがいなくてもちゃんとほうきに乗れるようにしましょうミャア。」 シン:「うん、修行します。」 シルバス:「それができるまではわしが必要ということですミャア。」
クアリ:「うん。」 それでは最後に、ほうきに乗って上空にあがって、今夜この晩、星洋燈に願いを託している全ての人に『ほんのすこしのしあわせ』をかけましょう。 ほうきに乗って、自分の星洋燈を掲げて空をさーっと横切ると、その洋燈から光が星空にちりばめられます。それは光の雨となって、街をつつみます。
マスター:わかりました。
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