星夜譚
wa ×


◆星の娘

 儚い命の上に
 人が
 親から子へ、一つずつ時を積み重ねゆく、その重さ
 
 星は開闢以来、人の歴史をつぶさに眺め
 星はまた人を映す鏡であり、見られているから其処にあるものだったから
 星は人と同じ数、時を重ねた

  おまえに会うために
  わたしは生まれてきたんだ
  何万年、積み重ねられた時は全て
  わたしとおまえが出会うためにあったんだ

 そんな言葉は
 星にしか許されない
 
 こぼれた星を拾うもの
 星影拾遺よ、星と心を通わす、ただ一人のものよ
 余人に見えぬ星たちを見いだすならば
 その星たちの重みを受けとめられるか

 星の娘の伝説は続く

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寿琅啓吾 <soga@summer.nifty.jp>