Planet-Aに会いにゆく




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 また、こんなこともありました。

 スノゥは冬の星たちの住むところへやってきました。冬の星団は、うすい光のもやを発するアーク燈の電氣林です。この星の林には、プラチナの髪の六人姉妹がいて、冬の星らしいきりっとしたよく通る声で、順番に詩をついで歌っているのでした。

「魔法の色は、どこでしょう、」
「まあるい窓は、どこでしょう、」
「世界の果ては、どこでしょう、」
「こころの果ては、なんでしょう、」
「なくしものは、なんでしょう、」
「青のひみつは、なんでしょう、」

 スノゥは青の秘密が歌われていたので気になりましたが、やっぱり、他の星のむすめと口をきくのは嫌だったので、林の陰からこっそりとその様子を盗み見ていました。すると、六人のむすめに隠れるようにして、灰色の髪のむすめがもう一人いることに気がつきました。そのむすめも同じ姉妹のようでしたが、他の六人の輝く髪に比べると、灰色の髪は遠慮気味でさえない感じがします。スノゥは、それが自分の様子とよく似ていると思ったので、この七人目のむすめのことを注意して見ていました。すると、むすめはやっぱり控えめな声で、こう歌を続けていました。

「魔法の色は、まあるい窓に。
 まあるい窓は、世界の果てに。
 世界の果ては、こころの果てに。
 こころの果ては、なくしもの。
 なくしものは、青のひみつ。
 青のひみつは、言葉のひみつ。」

 歌い終えるとむすめはスノゥのことに気がついたらしく、にこりと笑って手招きをしました。それはどうやら、一緒に遊びましょうと誘っているようです。けれども、それまでそんな風に誘われたことのなかったスノゥは驚いてしまって、どう答えたらよいのか分かりません。困ったスノゥは、結局、ヴェールで顔を隠してその場から逃げ出してしまったのでした。




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夏町 銅貨 <soga@summer.nifty.jp>