天河風
ten-ga-hu




 流星より速く
 羚羊の脚で駆けてゆく
 両手一杯の星たちは
 瞬きながらこぼれ落ちて
 まるでグランドに舞う白塵
 でも君はそんなことお構いなしで
 ただゴールだけを見つめていたね


 風媒花のように
 南からの風で星を散らす
 君ははじめて慌てたふうで
 拾い集めていたね
 金のコインを取り戻して
 満足している君の顔に
 また強い風が吹き付けるよ


 季節の間じゅう
 はしゃいだ君の胸の輝き
 全部失くしてしまう日を
 思った僕の心配性は
 北十字星と一緒に消えた
 君の軌跡を追いかけて
 当分治りそうもないみたいだね
                   





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寿琅啓吾 <soga@summer.nifty.jp>